寝つきが悪い、眠れない、早朝覚醒の症状
不眠症の原因とタイプ、診断と治療方法
入眠困難、中途覚醒、熟睡感の欠如、眠れない原因と診断、病院で行う治療の手順とは
監修:阪野クリニック岐阜いびき睡眠障害の治療外来 阪野勝久
病院の外来で頻度が高い睡眠障害です。夜の寝つきが悪い(入眠困難)、途中で目が覚める(中途覚醒)、朝、早く目が覚める(早朝覚醒)などがあり、集中力低下、眠気などの日中の症状が問題となるものです。
加齢に伴うもの、緊張感、ストレス、悩みがあり眠れないことは、外来でよく相談を受けます。その他、カフェイン、喫煙(ニコチン)は寝つきを妨げます。 一方、アルコールは中途覚醒の原因となります。薬剤の中には不眠の副作用がある場合はあります。 原因不明で、子どもの頃から不眠が続く場合、原発性と呼ばれます。
うつ病と不眠うつ病の症状として、眠れない、浅い眠り、朝早く目が覚めることがあります。不眠が続くと、うつ病の病状が悪化することが知られており、 精神科のクリニック、病院で抗うつ薬を中心とした治療を受けることが大切です。うつ症状の改善によって、不眠が解消するケースが少なくありません。 |
睡眠リズムの問題眠れないので治療相談のため病院外来を訪れる方には、最終的に、概日リズム睡眠障害(睡眠相後退症候群)と診断される場合があります。この病気は別頁で扱いますが、体内時計の変化により、夜遅くしか眠れない、朝、起きられない症状が問題となります。 |
体の病気痛み(関節リウマチ、腰痛症など)、かゆみ(アトピー性皮膚炎)、尿意を何回も感じる症状(膀胱炎、前立腺肥大)は、浅い眠り、中途覚醒を引き起こします。また、脳血管障害、パーキンソン病、アルツハイマー病などの脳の病気も慢性不眠症を呈します。 |
他の睡眠障害眠るとき脚にムズムズした感じ、不快感があり、眠れない、むずむず脚症候群は入眠困難が生じます。また、周期性四肢運動障害、睡眠時無呼吸症候群は熟睡感の欠如中途覚醒の原因となります。チェーンストークス呼吸、中枢型睡眠時無呼吸は心不全に起因する睡眠障害で、不眠の症状が出現します。 |
不眠症の診断は、寝つきが良くない、途中で目が覚めるなど困っている症状、日中への影響などを評価して行われます。心理テスト、睡眠日誌の記録、アクチグラフィも行われることがあります。逆説性不眠症(睡眠状態誤認)や上記にある他の睡眠障害の評価が必要な場合は、終夜睡眠ポリグラフ検査を検討します。
治療目的は眠りの質と量を充足して、体調、日中の症状を改善させることです。 睡眠衛生の指導、非薬物療法としての認知行動療法、および精神安定剤、睡眠薬などの薬物療法を検討します。個別の対策となるので、病院によって治療方針が異なる場合はあります。
各種メディア取材、病院の教育講演、睡眠障害の記事監修など。
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