いびき、眠気、不眠、激しい寝言と寝相 睡眠障害で悩んでいませんか?

不眠の症状を呈する下肢静止不能症候群の診断と治療について、Dr阪野勝久(愛知県名古屋市生まれ)が紹介します。

むずむず脚症候群(RLS:restless legs syndrome)

むずむず脚症候群(RLS:restless legs syndrome) イメージ

むずむず脚症候群には、夕方から夜にかけて下肢に虫がはうような感覚、むずむず感、ほてり感などの違和感を感じ、脚を動かしたい感じになる睡眠障害です。安静時に足の症状はひどくなり、脚を動かす症状が軽減される特徴を持っています。足の不快感があるので、入眠困難、中途覚醒など、不眠の原因となります。

病院での認知度は?

病院での認知度は?

RLSの頻度は2〜5%で眠りの病気としてよくありますが、医療従事者の認知度は高くない状況です。病院の皮膚科、整形外科、精神科を受診しても診断と治療について 結論が出ず、ようやく睡眠外来に治療相談される方が少なくありません。 眠れないので「うつ症状」を呈していることもあります。

原因について

原因について

脳内の神経伝達物質ドーパミン機能低下が、有力視されている原因です。鉄欠乏症、貧血、甲状腺機能異常、抗うつ薬などの薬剤などが原因で発症することがあります。妊娠中は葉酸不足、鉄不足による発症が考えられます。その他、透析患者、腎不全に合併します。

子どもの場合

子どもの場合

小児期でも、むずむず足症候群の症状が出現することがあります。大人の病気という先入観がありますが、幼児、学童期、思春期でも、脚の違和感があり、寝つけない症状をきたします。子どもでは、鉄欠乏が原因で発症する場合が少なくありません。

RLSの診断方法とは

むずむず脚症候群の診断基準は下記の通りで、病院では問診で診断されます。

4項目に合致するとレストレスレッグ症候群と診断されます。

さらに、病院では血液検査を施行して2次性要因を調べることが多いです。

  • 1下肢に不快感や違和感があり、じっとしていられず脚を動かしたくなる
  • 2下肢の異常感覚が、安静にしていると出現する、又は増悪する
  • 3症状は歩行など脚を運動させることで改善する
  • 4症状は日中より夕方や夜間に強くなる

周期性四肢運動障害(PLMD:periodic limb movement disorder)について

周期性四肢運動障害の合併について

むずむず足症候群では、眠っているときに足のピクツキが周期的に出現することがあります。周期性四肢運動(PLMS)と呼ばれます。一方、PLMSによって、眠りの質が低下したり、昼間の活動に支障をきたす場合があり、この場合、周期性四肢運動障害の名称となります

詳しくは、周期性四肢運動障害とはのページで解説します。

むずむず脚症候群の治療方法とは

むずむず脚症候群の治療方法とは

鉄不足、葉酸不足、甲状腺機能異常があれば、その治療を行います。

2次性要因が除外され、日常生活に支障がある場合は、プラミペキソール(商品名:ビ・シフロール)の内服を検討します。下肢静止不能症候群に保険適応があります。 病状のコントロール不十分の場合は、抗てんかん薬を考慮します。

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