睡眠障害の病院で治療する睡眠リズムの問題
睡眠リズム障害の原因とタイプ、治療方法
寝つきが悪い、朝起きられない症状など、睡眠覚醒リズム障害の原因と診断、治療法とは
監修:阪野クリニック岐阜いびき睡眠障害の治療外来 阪野勝久
睡眠と覚醒リズムは、体内時計によって約25時間の周期に調節されており、概日リズムと呼ばれています。日常生活では24時間がリズムであるので、体内時計は光刺激によって補正されています。自律神経、ホルモン、代謝調節も同様にリズムがあります。
体内時計のリズムと地球の24時間リズムの間にズレが生じて、補正がうまくいかない場合があります。自分が眠りたい(起きていたい)時間帯に、眠れない(眠くなる)症状が問題となり、頭痛、疲労感、食欲不振などの症状も出現し、日常生活に支障が出ます。 これが概日リズム睡眠障害と呼ばれる病気です。
夜遅くしか眠れない、朝起きられない症状、昼夜逆転の状況となる睡眠リズム障害です。睡眠時間帯が遅れているので、睡眠相後退症候群(delayed sleep phase syndrome: DSPS)と呼ばれています。受験勉強が本格化する思春期に多く、不登校や遅刻など学校生活に影響が出ます。 社会人では、休日の夜更かし、長期休暇での夜型の生活が引き金となります。
自分が必要なときに眠れないので、仕事中の眠気、集中力の低下が生じます。一方、眠ろうとしているときに目が覚めているので、焦燥感を感じることが少なくありません。 後者の場合、アルコール摂取や睡眠薬の内服が多くなる傾向があります。 その他、ほてり感、頭痛、抑うつ症状が出現することがあります。
概日リズム睡眠障害は症状と睡眠パターンの判定から行われます。就寝時刻と起床時刻を1〜2週間ほど記録する睡眠日誌やアクチグラフィによる評価を行い、タイプを判定します。 他の睡眠障害の合併が疑われるときは、終夜睡眠ポリグラフ検査を考慮します。
睡眠リズム障害のタイプによって治療方法は異なりますが、睡眠衛生の指導、眠りのリズムを補正するための時間療法、光療法により体内時計を望ましい環境に適応させます。メラトニンアゴニストを用いることもあります。 個別に対応する必要があるので、睡眠障害の専門医に相談しましょう。
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