学校、職場での眠気、居眠り、大丈夫ですか
ナルコレプシー・過眠症:眠気治療と対策
昼間の眠気、居眠り症状が生じるナルコレプシーや特発性過眠症の検査、診断と治療とは
監修:阪野クリニック岐阜いびき睡眠障害の治療外来 阪野勝久
日中、眠くて困る経験をされた方は多いですが、異常な眠気があり、日常生活に支障が出ると病気の可能性があります。具体的には、居眠り運転、授業中の居眠り、接客中に眠ってしまうなどです。 眠気のよくある原因として、睡眠不足、ストレスによる浅眠、昼食後の眠気(リズムによる)があります。うつ病、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、周期性四肢運動障害なども、眠気が生じる病気です。
思春期に発症することが多い睡眠障害で、授業中の居眠りを担任の先生に指摘され病院を受診するケースが多いです。毎日、規則正しく、十分に睡眠時間をとっていても、異常な眠気があることが、ナルコレプシーの臨床特徴です。 中枢性過眠症のグループの中でナルコレプシーに類似した病気として、特発性過眠症があります。
ナルコレプシーの症状の特徴として、耐え難い眠気、寝入りに悪夢を見る(入眠時幻覚)、金縛りと呼ばれる睡眠麻痺があります。また、笑う、怒るなどの感情の変化により、体の一部に脱力が生じることがあり、カタプレキシー(情動脱力発作)と呼ばれています。
ナルコレプシーの診断は上記にあるような自覚症状の評価と経過、そして、終夜睡眠ポリグラフ検査と反復睡眠潜時試験(MSLT)によって行われます。診断過程で眠気をきたす原因の除外が大切になります。 その他、髄液中のオレキシン濃度(髄液検査)の測定も活用します。HLAタイピング検査は必須ではありません。
ナルコレプシーの主症状である昼間の眠気、睡眠発作に対して、中枢神経刺激薬を適応します。病院の外来で検討する治療薬として、モディオダール(一般名:モダフィニル)リタリン(一般名:塩酸メチルフェニデート)、ベタナミン(一般名:ペモリン)があります。 その他、入眠時幻覚、睡眠麻痺に対しては、抗うつ薬を検討します。
ナルコレプシー、特発性過眠症の診断と治療に対応する病院を探す場合は、かかりつけ医から地域の睡眠外来のある病院を紹介してもらうと良いでしょう。睡眠潜時反復検査(MSLT)が施行可能な施設は限定されますが、日本睡眠学会のホームページは地域の専門病院が紹介されており便利です。
各種メディア取材、病院の教育講演、睡眠障害の記事監修など。
お問い合わせにご連絡下さい。