過眠症・ナルコレプシーを疑う過程と治療まで
会社の部下が眠気で困っているときの対応
睡眠外来の病院で行っている眠気の原因検索と診断過程について
監修:阪野クリニック岐阜いびき睡眠障害の治療外来 阪野勝久
最近、新人の部下が勤務中によく居眠りする。
パソコンの前で、知らない間に眠っている。
眠気が強くて、コーヒーに頼ってしまうことが多い。
管理人は岐阜市で睡眠障害の外来を開設しております。
毎週、勤務中の居眠り、強い眠気で困っている
ビジネスマンからの相談を受けています。
上司から勧められて、診察を受けに来たという
理由が多い印象です。
今回は、自分の部下がよく居眠りしているときに、どのように対応すれば良いか、睡眠障害の専門医の立場から解説します。
上司の立場上、勤務中の居眠りについて
注意をする必要はありますが、
部下の事情や体調について、一緒に考えることが大切です。
本人がどうすることもできない「睡眠の病気」がある場合もあります。
どういった手順で眠気の原因検索と対策について続きます。
1.睡眠不足
2.睡眠リズムが不規則
3.睡眠の質が低下
勤務中の強い眠気の原因として、睡眠時間が不足している場合は多いです。
休日>平日の睡眠時間となっているときは、普段から平均的に眠る時間を増やすようにしましょう。
眠る時間と起きる時間を整えることが大事です。
十分な睡眠時間をとってください。
夜更かし厳禁です。
具体的に、成人では、
22:30から23:00までにベッドに入り・・
6:30頃に起きるリズムを推奨します。
これで、7時間30分~8時間の睡眠を確保できます。
持病があり薬を飲んでいる社員もいます。
かかりつけ医の診察を受けるよう提案し、眠気を起こす薬があるか調べることも大切です。
薬の分量の調節で眠くなくなったということもあります。
通常の昼間勤務にしてみること。
そして、睡眠リズムに影響しないように
残業を制限すること。
体力的に交代勤務・不規則な勤務時間に慣れない従業員も、少なからずいます。
適材適所。働きやすい環境を考えましょう。
夜、よく眠れないことが原因で、
昼間の居眠りが多い場合もあります。
社員への仕事量が多くて負担になっていないか、
確認しましょう。
残業についても注意しましょう。社員が望む「仕事と生活の調和」についても考えることも必要です。
会社の保健師にいれば、本人が気になっていること、
会社、家族、プライベートのことで悩んでいないか、
聞き取りをすることも大切です。
浅い眠り、不眠の原因が分かることも、少なくありません。
・夕方以降のカフェイン摂取
・アルコール摂取の習慣
・タバコを吸うことがある
嗜好品については、見直す良い機会です。
実際に睡眠障害の外来で検査しないと分かりませんが、
睡眠時無呼吸症候群の可能性があれば、
その診断と治療が必要になります。
この場合は、睡眠時無呼吸の検査ができる病院への
相談を勧めます。
睡眠障害を専門とする病院の外来で相談しましょう。
睡眠の病気の中には、居眠り病と呼ばれる
中枢性過眠症があります。
ナルコレプシー、特発性過眠症などと呼ばれています。
これらの病気かどうか見極めが必要です。
居眠り病とも言われるナルコレプシーを
診断するためには・・・
夜の睡眠検査の翌日に、昼寝の検査(20分×5回)が
必要になります。
ポイントは、夜と昼間の検査となります。
昼寝の検査は、夕方5時が最後の昼寝となります。
1泊2日の検査入院です。
検査の名前は、反復睡眠潜時検査(MSLT)です。
月曜日の夜に病院に入り、火曜日の夕方6時頃に
退院する感じです。
病院では平日に検査が行われることが多いので、
勤務の調整、休日を認めるなど、配慮しましょう。
詳しくは、次のページをどうぞ。
https://sleep-doctor.info/narcolepsy-diagnosis/
医師の指示のもと、眠気を和らげることができる薬を
服用することができます。
本人の力だけでは、どうすることもできない眠気の原因もあります。
睡眠障害の専門医師のアドバイスが必要です。
眠気で困っている部下がいれば、一度、声をかけてみましょう。
各種メディア取材、病院の教育講演、睡眠障害の記事監修など。
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